整骨院の開業・経営はWebマーケティングが重要!具体的な施策とは

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「売上を伸ばして安定経営を目指したい」
「整骨院がとるべきマーケティング手法って何?」
「具体的なWebマーケティング施策を知りたい」

経営を続けていくためには儲かる仕組み作りが必要です。
そのために取り組みたいのがWebマーケティングですが、敷居が高く、手を付けられていない方もいますよね。

そこで今回は、初めてでも始めやすいように、整骨院におすすめのWebマーケティング施策に絞って紹介していきましょう。

効果的なマーケティングを実施するための考え方も解説するので、ぜひ実践してみてください。

この記事では、整骨院の開業・経営のために取り組みたいWebマーケティング施策について、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。

安定経営を目指したい方、効率的に集客を増やしていきたい方は、ぜひ参考にしてください。

  • 思うように集客できない
  • スタッフの育成が難しい
  • 競合他社との差別化が難しい

整骨院の安定経営にWebマーケティングが必要な理由

整骨院の経営を安定させるためには、継続的に集客できる仕組みを作る必要がありますが、そのためにはWebマーケティングの強化が欠かせません。

整骨院にWebマーケティングが必要な理由と、実施するメリット・デメリットを説明していきましょう。

激しい競争で生き残るため

マッサージ・接骨院等の業界が過当競争に陥っている状況についてご存知の方も多いでしょう。

特に都市部では、新しい治療院が次々と開業する中で選ばれる整骨院づくりをすることが生き残りの鍵を握っています。

そのような厳しい状況の中、集客するために毎回広告費をかけて、営業活動もして…となると大変です。

売上を伸ばし、経営を軌道に乗せるためには、継続的に、かつ自然と集客できる仕組みを作ることが肝心です。
そのためには、Webマーケティングを強化する必要があるのです。

Webマーケティングを活用することで新規患者の獲得はもちろん、リピーターの増加を図ることもでき、継続的な収益の確保につながります。

Webマーケティングを実施するメリット・デメリット

Webマーケティングのメリットとして、次のような面が挙げられます。

  • 一次情報を素早く発信できる
  • 低コストで手軽に始められる傾向にある
  • 見込み顧客から潜在顧客まで、幅広い顧客にアプローチが可能
  • 店舗以外でも患者さまとのコミュニケーションができる

一方、デメリットとして挙げられるのは以下の2点です。

  • 知識と時間を必要とするため、即効性は期待できない
  • 本格的に施策を強化するなら、担当者の配置や外注が必要になる

しかし、適切な戦略を立てていけば、安定経営の基盤を築くことができるため、デメリットを補って余りある効果を得られるでしょう。

【見込み顧客と潜在顧客の違い】

  • 見込み顧客
    自院の施術に関心がある顧客のことで、来院する可能性があります。
  • 潜在顧客
    まだ自院の存在を知らないものの、知れば見込み顧客になる可能性がある人たちのことです。

整骨院が行いたいWebマーケティング施策

WEBマーケティングの強化が安定経営に欠かせないと分かっていつつも、Webに詳しくないので何から手を付ければいいのか分からない方も多いでしょう。

そこで、整骨院がまず注力したいWEBマーケティング施策を3つに絞って紹介します。

MEO対策(マップ検索エンジン最適化)で地域住民にアピールする

MEO対策とは、Googleマップなどの地図検索において、自院が上位に表示されるように最適化する施策のことです。

MEO対策をしておけば、地域の住民が「整骨院」と検索した際に、自院が目立つ位置に表示されるため、来院する確率が上がります。

MEO対策は無料で行えて、深い専門知識を必要とするわけでもありません。
まずはGoogleビジネスプロフィールに登録し、定期的に更新して情報を充実させ、口コミの管理・返信を徹底することが基本です。

メリット・デメリットも含めた詳しい運用方法については、以下の記事を参考にしてください。

SNSマーケティングで存在感を高める

LINE、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSを活用してネット上の存在感を高める方法です。

施術のビフォーアフターの写真や患者の声を共有することで、信頼性を高められるほか、フォロワーとのコミュニケーションを通じて親近感を持ってもらうことが可能です。

以下は、各SNSの特徴を簡単にまとめたものです。

LINE公式アカウント利用者の年齢層が幅広く、情報を見てもらいやすい。
予約・問い合わせ対応・クーポン発行が可能で、休眠患者の顧客離れ予防にも効果的。
リピート率向上に貢献するが、拡散力はない。
Instagram利用者が多く、女性がターゲットの場合はおすすめ。
画像や動画で院内の雰囲気を発信できるので安心感につながりやすい。
ハッシュタグやジオタグで地域の顧客にアピールしやすく、ニーズのあるユーザーに情報を届けやすい。
X(旧Twitter)利用者が多く拡散力が高いが、投稿が埋もれやすいのでそれなりの投稿回数が必要。
気軽に投稿でき、ユーモアある投稿が受けやすい傾向がある。
当たれば宣伝効果は大きい。
Facebook(フェイスブック)投稿の自由度が大きく、実名登録制なので情報への安心感がある。
ビジネスにもつながりやすい。
利用者が年々減少している点に注意。

中でも、LINE公式アカウントは無料でも利用でき、マーケティング機能が豊富で整骨院とも相性が良いのでおすすめです。

次におすすめなのがInstagram。
整骨院の情報を求めるユーザーに対し、整骨院関連の情報を配信してくれるので、興味を持ってもらいやすい仕組みになっています。

SEO対策(検索エンジン最適化)で継続的な集客の仕組みを作る

SEO対策とは、日本語で言うと『検索エンジン最適化』のことで、検索結果の上位表示を目指す施策です。
集客のためのWebサイト運用やブログ運営の際に必要になります。

たとえば、『整骨院 葛飾区』で検索した時に上位表示されることで、多くのユーザーの目に留まり、ホームページ集客につなげることができます。

SEO効果を実感できるまでには時間がかかるのが難点ですが、自然に人が集まる仕組みを作れるので、施策の重要性は高いでしょう。

ホームページ運用で継続的な集客を図る

自院のWebサイトにSEO対策を施して検索順位を上げることで、宣伝費用をかけずに継続的に集客できるツールとなります。

上位表示によってサイトへのアクセスが増えれば、問い合わせ・予約の増加にもつながります。

ただし、SEOに強いホームページを素人が無料で作ることはできません。
集客できるHP制作は専門知識を持ったプロに依頼することになるので、それなりの費用がかかるでしょう。

また、ホームページは一度作ったら終わりではなく、継続して上位表示させるために定期的な更新や修正が必要です。
この運用をどこまで自分でやるかで、かかるコストも異なってきます。

ブログ(オウンドメディア)運営でホームページ集客を強化

SEO対策の一環として取り組まれるのがブログ(オウンドメディア)の発信です。

質の良いブログ記事を定期的に更新することでSEO効果が高まり、検索エンジンからの流入が増える効果を得られます。
また、ブログは自院の専門性のアピールや信頼性の獲得にもつながるでしょう。

質の高い記事を作成するには、検索意図(ユーザーが求めている情報)を把握し、それに対して答えた内容にしなければなりません。

以下のブログの書き方を紹介した記事には「パーソナルジム」とありますが、全てのジャンルに通じる内容となっているので、ぜひご覧になってみてください。

ペルソナ設定で効果的なマーケティングを行う

患者さまに選ばれる整骨院になるためには、『ターゲットを絞り込む』、つまり、誰のためのサービスなのかを明確に打ち出す必要があります。

ターゲットを絞ることで、効率的かつ効果的なWebマーケティングを行うことにもつながります。

ここからは、整骨院のマーケティング効果を最大限に引き出すために重要な、『ペルソナマーケティング』について解説します。

ペルソナマーケティングとは?

ペルソナマーケティングとは、ターゲットとなる顧客の具体的な人物像(ペルソナ)を設定し、その人物に最適化したマーケティングを行うための手法です。

ペルソナを設定することで、より具体的かつ効果的なマーケティング活動が可能になります。

ペルソナとターゲットの違い】

  • ターゲット
    特定の属性や条件をもとに分類された集団の中で、自社の理想の顧客群を指す。該当する人物が数多く含まれる。
  • ペルソナ
    心理や行動などの理解を深めるために設定した、1人の詳細な人物像を指す。1人の人物像を作ることで認識の齟齬を防ぎ、同じ属性の人々への訴求力を高められるとの考えに基づいている。

ペルソナ設定はSTP分析に基づいて行うと良い

ペルソナ設定は想像で行うのではありません。
あらかじめ収集した情報をもとにターゲットを絞り込み、ペルソナ設定のための土台をしっかりと固めておく必要があります。

ターゲットの絞り込みが甘ければ、具体的なペルソナが設定できないからです。

そこで、ペルソナを設定する前に『STP分析』というフレームワークを行い、自院の理想の顧客層を明確に洗い出しておくことが重要です。

STP分析は、

  1. Segmentation(セグメンテーション)
  2. Targeting(ターゲティング)
  3. Positioning(ポジショニング)

の3つのプロセスから成り立ちます。

STP分析を活用し、具体的なペルソナを設定する流れを解説していきましょう。

セグメンテーション |市場をいくつかのグルーブに分類する

セグメンテーションの目的は、市場をいくつかのグループに分ける(分類する)ことです。

まずは年齢・性別・職業・居住地など、患者の基本情報を収集し、どのような悩みやニーズを持ってるかを調査します。
そして、同じような悩みや特性を持つ人たちをグループ分けしていきましょう。

ターゲティング |分類したグループの中から注力するターゲットを絞り込む

ターゲティングでは、セグメント化されたグループの中から、特に力を入れて集客したいターゲット(理想の患者像)を1つに絞ります。

この選定は、

  • 市場規模
  • 成長性
  • 競争状況
  • 自院の強みと合致するか

などの要素を基に、勝てる見込みがあるかどうかを考えて決めましょう。

ポジショニング |自院をどう位置づけてアピールすべきかを明確化

ポジショニング(Positioning)では、選定したターゲット層に対して、自院をどのように位置づけるのが有利なのかを明確にします。

  1. 競合分析で他院のメニュー構成やブランディングを調査する。
  2. 自院の差別化ポイントを明確化して、独自性を洗い出す。

以上ができたら、ターゲットに対して自院が提供できる価値を一言で表現してみましょう。

ペルソナ設定を実践する

この時点でのターゲット選定は、まだ「40代女性」「主婦」などといった大きなくくりにあります。
ここから具体的に、理想の患者像(ペルソナ)を設定していきましょう。

手順は以下のとおりです。

  1. ペルソナのプロフィール(名前、年齢、職業、年収、居住地、趣味、考え方、行動、家族構成、現在の状況など)をできるだけ具体的に設定。
  2. そのペルソナが抱える悩みや求めている解決策を明確化。
  3. ペルソナがどのように情報を収集し、どのような行動をとるかを考える。
  4. できればペルソナ像に近い人物にヒアリング・アンケート調査を行い、解像度を上げていく。

なお、ペルソナが自院にとって都合の良い人物とならないよう、情報収集はしっかり行っておく必要があります。
従業員がいる場合は、意見を聞いて検証するといいでしょう。

まとめ

整骨院の経営を安定させるためには、Webマーケティングを強化して継続的かつ自然と集客できるシステムの構築が重要です。

Webマーケティングやペルソナマーケティングを活用することで、集客力を高め、患者満足度を向上させて売上を伸ばすことにつながるでしょう。

今回の内容を参考に、患者さまに選ばれる整骨院づくりを実践してみてください。