パーソナルジム開業において、多くの方の頭を悩ませる問題が『集客』です。
しかし、とにかく人をかき集めようとして集客を試みても、コストがかかるばかりで効果は薄いでしょう。
集客効果の高い施策を実施していくためには、マーケティング戦略が欠かせません。そこで今回は、パーソナルジム開業において知っておきたいマーケティング戦略、
- 差別化戦略
- ペルソナ設定
- 購買サイクル
について、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。
開業したいと考えている方、集客が上手くいかない方は、ぜひ参考にしてください。
こんなお悩みは
ありませんか?
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【差別化戦略】自社パーソナルジムの強みを打ち出す
フィットネスクラブやパーソナルジムが数多く存在する中で選ばれるお店になるためには、自社の強みを明確にし、競合との差別化を図ることが重要です。
差別化戦略について、解説していきましょう。
なぜ差別化戦略が必要なのか?
自社と他社のサービスの差別化を図ることで、競争優位を実現しようとする戦略のことを差別化戦略と言います。
この戦略により、パーソナルジムが巻き込まれやすい価格競争を回避し、利益率の向上を図ります。
差別化戦略のためには、
- 自社の強みを明確化
- 競合他社の調査
- 顧客ニーズの把握(ペルソナ設定)
が必要です。
戦略の立て方によっては顧客離れが起きる可能性があることや、コストがかさみやすい点に注意しなければなりません。
強みを考える上でのポイント
まずは、あなたのパーソナルジムの強みを洗い出しましょう。
パーソナルジムの強みを考える上で、以下のようなポイントが挙げられます。
たとえば、ASFiT(アスフィット)では、『整体・姿勢矯正・パーソナルトレーニングによるトータルアプローチ』で、トレーニングもボディケアもできることを強みとしています。
強みの例
- 女性専用の落ち着いた空間で、ダイエットに特化したトレーニングを提供
- アスリートのパフォーマンス向上をサポートする専門的なトレーニングを提供
- オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型のトレーニングを提供
- 栄養士による食事指導と連携し、食事と運動の両面からサポート
自社の強みが顧客にもたらすメリットを伝えていく
自社の強みとそれによるメリットを、ペルソナ(この後紹介)をもとに打ち出していきましょう。
- ペルソナをもとに広告・HPのイメージを合わせる
- ペルソナがよく利用している媒体を選んで広告を出す
- ペルソナに響くメッセージを打ち出す
【ペルソナ設定】ターゲットとなる顧客像の明確化
ペルソナとは、サービスを購入してくれる顧客の架空の人物像のことです。
年齢、性別、職業、ライフスタイル、抱えている悩みなど、1人の具体的な人物像を作り込むことで、顧客のニーズをより深く理解することにつながります。
そして、この人物像に最適化したマーケティングを行うことをペルソナマーケティングといいます。
なぜペルソナ設定が必要なのか?
ペルソナ設定を行うことで得られるメリットは以下のとおりです。
- 誰に向けて何を提供すべきかが明確になる
- ペルソナに焦点を当てることで無駄なリソースの投入を防げる
- どの媒体なら効果的な広告が打てるかが分かる
- 顧客との共感を深めた響くメッセージの発信ができるようになる
- ニーズに合ったメニュー・料金プランを用意できる
情報過多なこの時代、万人に向けてジムの魅力を発信しても目に留めてもらえません。
誰のためのジムなのかを絞り込んで狙い撃ちすることで訴求力を高めるほうが、効果的かつ効率的な集客につながるのです。
ペルソナ設定の具体的な方法
ペルソナはどうやって設定するのか?
具体的な方法を説明していきましょう。
データの収集
先入観で設定するのを避けるため、顧客へのアンケートやインタビューから情報を集めます。
ターゲットに近い人物が身近にいれば話を聞きましょう。サイトやSNSに訪れているユーザー属性も分析します。
データの整理
集めたデータを分類して整理し、情報の取捨選択を行って必要な情報に絞り込みましょう。
ペルソナ完成
整理したデータをもとに、具体的な1人の人物像を作り上げます。
- 名前
- 年齢
- 学歴
- 職業
- 年収
- 居住地
- 趣味
- 考え方
- 行動
- 家族構成
- 利用しているSNS
- 現在の状況
など、まるで実在している人物であるかのように設定しましょう。
ペルソナの定期的な見直し
設定したペルソナは定期的に見直しましょう。
顧客のニーズは変化していくものです。変化に対応していくためにも、作りっぱなしにはしないことが肝心です。
【購買サイクル】売れる仕組みをつくる
顧客がサービスを購入決定するまでには、いくつものフェーズがあります。
この各フェーズに、顧客の意志決定・行動を後押しする施策を用意することが、『継続的に自ずと売れる仕組み』作りにつながります。各フェーズについて説明していきましょう。
①認知
「最近、体が重くなったな」
「体型のくずれが気になってきたな」
など、自身の健康状態に悩みを持つ人が、パーソナルジムの存在を意識し始めます。
そこでまず、ブログ記事・SNS投稿・広告・地域イベントの出展などを通じて、パーソナルジムの存在を知ってもらう必要があります。
とはいえ、多くのフィットネスクラブやパーソナルジムの情報が溢れる中、いかにして認知してもらうのか?
ここで重要になるのが、先ほど紹介したペルソナ設定です。
②興味
『認知』の段階より具体的な悩みの解決方法を求めている段階です。
自分に適したサービスを提供するパーソナルジムはどこか探しています。
ここで自社サービスの魅力をアピールできれば、サービスの購入に対する意識を高められます。
差別化戦略で洗い出した自社の強みをもとに、ホームページやSNSなどを通じて、ターゲットに訴求したコンテンツを提供しましょう。
③比較・検討
複数のジムを比較検討した上で、どのジムを選ぶか最終的な判断を下す段階です。ここでは、比較サイトや口コミもチェックし、信用できるジムなのかどうか情報収集します。
訴求力の高いコンテンツの提供はもちろんですが、ポータルサイトへの登録や良い口コミの収集も、購入の意思決定を後押しする重要な施策です。
④購入
比較・検討を経ていよいよ購入してもらう段階です。
入会までの流れや料金プランを明確に提示するといいでしょう。
また、入会金の割引・無料などのキャンペーン情報や無料体験の実施など、お得な情報を提供することで付加価値をつけられます。
また、予約が簡単に行えることもスムーズな購入への流れを作る上で重要です。
⑤継続
『⑤継続』はリピーターをつくる段階で、パーソナルジムで言えば新規顧客の継続率を上げる段階です。
- 顧客との定期的なカウンセリング
- サービスの質の改善
- アンケートの実施
など、顧客満足度の向上に取り組み、顧客離れを予防します。
また、リピーターには、より高度なトレーニングプログラムやサプリメントなどを提案(アップセル)したり、関連商品を提案(クロスセル)したりすることで、収益向上につなげます。
まとめ
マーケティングとは、継続的に売れる仕組みを作ることです。
やみくもに宣伝を繰り返しても、コストや手間がかかり、広告費ばかり高くついて利益が減ってしまいます。
競争が激しいパーソナルジムの集客は、マーケティング戦略を立てて効果的かつ効率的に行うことが重要です。
マーケティングの知識をもとに、あなたのジムに適した戦略を立てて、顧客に選ばれるパーソナルジムを目指しましょう。