「独立して整体院を開業したいけど上手くいくか不安」
「失敗する理由を把握してリスク回避したい」
「成功のためにできることを知りたい」
このように、独立開業する際は不安が尽きないことでしょう。
整体院の多くが失敗して廃業している中、その原因の多くは、経営スキルの不足にあります。
具体的な失敗の理由を把握し、リスク回避に活かしましょう。
今回は独立して整体院の経営に失敗しないために必要な心得について、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。
独立したいけど不安を感じている方、失敗の原因を押さえておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
トレーニング事業への参入をお考えですか?
- 思うように集客できない
- 一見客が多く頭打ちになっている
- 競合と差別化したい
このようなお悩みはぜひJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)にご相談ください。
整骨院・整体院経営からトレーニング事業に参入したノウハウをお伝えいたします。
整体院の廃業率は高く生き残るのは厳しい世界
整体院を含むマッサージ事業者の廃業率は、開業から5年で95%と言われています。
これは中規模以上のチェーン店を含めた数字であり、個人で開業した場合の生存率は5年で2〜3%とも言われています。
にも関わらず、事業者は未だ増加傾向にあり、過当競争となっています。
生き残るためには、整体師としてのスキルだけでなく、経営スキルと戦略が必須と言えるでしょう。
参考:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況:就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所|厚生労働省
失敗する理由の多くは経営スキルの不足にある
施術の技術があれば、自然とお客さまが集まってくると思っている方も少なくありません。
しかし、独立すると整体施術だけでなく、集客や収支の計算など、従業員時代にはなかった経営業務をする必要があります。
整体院経営に失敗する理由の多くは、この経営スキルの不足にあります。
失敗の原因となる6つの原因について解説していきましょう。
コンセプトやターゲット設定をしていない
求められるサービスを提供するためには、コンセプトやターゲット設定を明確にする必要があります。
ここがはっきり設定できていないと、ニーズに対応したメニューの考案や効果的な広告・宣伝活動を行うことができません。
内装の雰囲気にも影響するので、開業前に明確化することが肝心です。
問題点
- コンセプトやターゲット設定の不明確だと、求められるニーズに十分に応えられない。
- 差別化できず、独自のサービスに付加価値がない状態では、選ばれる整体院にはなれない。
- ターゲットを絞らないと、効果的なマーケティング・宣伝はできない。
対処法
- 自身の得意な施術や専門知識を踏まえて整体院のコンセプト・ターゲットを設定する。
- ターゲットのニーズや課題を理解し、それに応じたサービス提供や価値提案を行う。
- 開業エリアの地域住民や競合分析を行い、顧客のニーズに応じたマーケティング戦略を立てる。
「伝わる」宣伝ができていない
上手く宣伝するコツは、顧客目線を徹底し、どのような価値を提供できるかがシンプルに伝わるメッセージを打ち出すことです。
宣伝がただの自己主張になっては、効果が得られません。
どのような人が、どのような価値を得られるのか、顧客にとってのメリットや効果をアピールすることが大切です。
ターゲットに「伝わる」宣伝を意識しましょう。
注意点
- ターゲットが理解しづらい独りよがりの宣伝内容にならないよう注意する。
- 万人受けを狙うと、整体院の特徴や価値が伝わらない。
- 宣伝に使用する写真やサイトの質が低いと、魅力的に写りづらい。
- 1〜2回の宣伝活動では、認知度が上がりづらい。
対処法
- ターゲットのニーズや関心を分析し、魅力的に感じられるメッセージを打ち出す。
- 宣伝内容は分かりやすく、パッと見て伝わるように。
- 整体院の特徴や独自の価値を強調し、競合他社との差別化ポイントを明確にする。
- 魅力的な写真・動画・文章を意識すること。
- 見た人の記憶に残るよう繰り返し宣伝活動を行い、認知度を高める。
立地選びに失敗している
集客に不向きなアクセスの悪い場所や、競合が多い地域に整体院を開業した場合、顧客獲得が難しくなり、経営が行き詰まる可能性があります。
また、自院のターゲットと地域住民のニーズが合致していないと集客が見込めません。
たとえば、サラリーマンがターゲットなら、仕事帰りに寄りやすいビジネス街や駅前に開業するのが効果的でしょう。
対処法
- アクセスの良い立地を選定し、顧客の通いやすさを確保。
- 人通りの多い場所に開業することで認知されやすくなる。
- ターゲットにとっての通いやすさを考えて選ぶ。
- 家賃は予算の許容範囲内に収めることも大切。
- 開業前に周辺環境や競合店を調査し、勝ち目がないエリアでの開業は避ける。
立地の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
サービスの質が低い
整体院の顧客は、施術の質や提供するサービスのレベルに敏感です。
サービスの質が低いと、顧客が期待する効果や体験を得られず、顧客満足度が低下します。
施術だけでなく、接客や店内の清潔感などもリピート率に影響します。
自院に通いたいと思ってもらうためにも、サービス業の視点を持つことが必要でしょう。
問題点
- 口コミや評判の悪化により、新規顧客の獲得が困難になる。
- リピーターが獲得できず、収益源が安定しなくなる。
対処法
- アンケート調査などを実施して顧客のフィードバックを積極的に収集し、継続的なサービスの改善点やニーズ把握に努める。
- 清潔で快適な施設を提供し、顧客がリラックスして施術を受けられる環境を整える。
- 従業員を雇う場合は、サービスの提供プランを用意し、接客スキルの向上に向けたトレーニングや教育を実施する。
ランニングコストの不足
開業の初期費用をかけ過ぎてランニングコストが不足するケースも少なくありません。
内外装や備品の購入で抑えられるところは抑え、宣伝もできる範囲は自分で行うなどして費用を節約することが大切です。
また、収支の管理や予算の立て方が不十分であったり、経費の無駄遣いがあったりすると、資金繰りが悪化し、経営に打撃を受けてしまいます。
収支の計算はしっかり行い、赤字にならないよう管理しましょう。
ランニングコストが不足することの問題点
- マーケティングや広告費が不足して集客が困難になる
- 新しい施術やサービスの導入が制限される
- 予期せぬ出費に対応できない
- 家賃を払い続けることが難しくなる
一人経営で回しきれていない
一人で整体院を切り盛りする場合、施術以外の業務だけでなく、予約管理・会計・マーケティング・清掃などの様々な業務をこなさなければなりません。
これらの業務に追われて施術に集中できなくなると、施術・接客の質が低下し、顧客満足度が低下する可能性があります。
対処法
- オンラインシステムなどを活用して、予約管理や顧客情報の管理を自動化し、効率化する
- 予約受付や会計業務などの事務を外注したりパートを雇ったりすることで業務の負担を軽減する
経営スキルを磨いていくためには
経営の知識が不足していると、経営の効率性や成長性が低下し、事業が失敗する可能性が高まってしまいます。
経営スキルを学び、磨いていくための4つのポイントを紹介しましょう。
店長やマネージャーを経験する
店長やマネージャーを経験しておくことで、スタッフ指導、顧客対応、予算管理などの、経営に必要な知識やスキルを習得する有益な機会が得られます。
店舗運営やマネジメントにおいては、戦略的な視点が求められます。
競合分析・市場動向の把握、新たなビジネスチャンスの発見などの、戦略的な判断力を養えるでしょう。
セミナーで学ぶ
経営に関する知識やスキルを向上させるためのセミナーに参加するのも1つの方法です。
経営に関する基本的な知識から、具体的な経営戦略やマーケティング手法などの実践的なスキルを習得しましょう。
セミナーに参加することで、人脈が広がる可能性もあります。
信頼できる主催者のセミナーに参加しましょう。
常にトレンドの情報収集をしよう
常に変化する状況に対応するためには、独立してからも学び、考え続けることが大切です。
市場動向や最新の経営トレンドに敏感になり、情報収集を行いましょう。
ビジネス書籍や専門誌、セミナーなどを通じて、経営に関する知識やスキルを継続的に学んでいくことが大切です。
失敗を恐れず実践する
集客を成功させるためには、知識を身につけるだけではなく行動することが大切です。
始めから上手くいくことは滅多にありません。失敗と改善を繰り返して成功に辿り着きます。
難しいことですが、1度や2度の失敗で挫けず、失敗や挫折の経験から学ぶ姿勢を維持し続けましょう。
まとめ
儲かる整体院づくりのためには、整体師としての力量と経験はもちろんのこと、経営スキルを身につけることが大切です。
独立を考えているなら、今から経営について勉強しましょう。
準備が不十分だと、上手くいくものも上手くいかなくなってしまいます。