将来的に、独立開業を視野に入れている柔道整復師(柔整師を目指している方)は多いと思います。
しかし、いざ開業となると準備不足で失敗する方は非常に多いです。
整骨院の開業に必要なことが何なのかを今からイメージしておくためにも、ここで開業におけるメリット・デメリットを見ていきましょう。
今回は、整骨院の開業ならではのメリット・デメリットについて、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。
独立開業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
トレーニング事業への参入をお考えですか?
- 思うように集客できない
- 一見客が多く頭打ちになっている
- 競合と差別化したい
このようなお悩みはぜひJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)にご相談ください。
整骨院・整体院経営からトレーニング事業に参入したノウハウをお伝えいたします。
整骨院開業のメリットとは?

まずは、整骨院を開業するメリット5つを、費用面や将来性といったあらゆる面から見ていきましょう。
工夫次第で開業費用を安く抑えることが可能
整骨院の規模にもよりますが、整骨院の開業費用の相場は600万円~2000万円程度です。
しかし、マンション開業や自宅開業、居抜き物件を利用するなどの工夫次第では、相場より初期費用を抑えることも可能です。
経営の自由度が高い
従業員とは違い、経営方針や施術内容を自由に決定できます。
自身の得意分野に特化し、独自のサービスを展開することも可能です。
すべてが自分次第なので、働き方の幅も広がるでしょう。
継続的な治療による安定収入が見込める
継続的な治療が必要な患者さまが多いため、リピーターを獲得すれば安定収入が見込めます。
地域に根差した運営を行うことで信頼を得ることで、顧客と長期的かつ良好な関係を築いていけるでしょう。
高齢化社会が進行することによる需要の増加
高齢化の進展や昨今の健康意識の高まりから、運動器のリハビリテーションや健康寿命の延伸、予防医療のニーズ対応など、その需要は増加していくと考えられます。
予防やメンテナンスという観点では現役世代の需要も増えており、周辺住民の健康維持に貢献する役割を担うことで、整骨院の発展につながっていくでしょう。
地域や社会への貢献を実感しやすい
前述したとおり、地域住民の健康をサポートできるため、社会貢献を実感しやすいです。
また、柔道整復師ならではのスキルを活かした地域貢献・社会貢献活動を行うこともでき、交流の場を設けて地域の人々をつなぐ架け橋となることも可能でしょう。
整骨院開業のデメリット

メリットだけでなく、厳しい現実についても把握しておく必要があります。
整骨院開業のデメリットを5つ確認していきましょう。
開業までのハードルが高い
柔道整復師の国家試験の受験資格をとるためには、4年制大学か3年制の短期大学、もしくは専門学校で3年以上学び、定められたカリキュラムを修了する必要があります。
そして、毎年1回行われる国家試験に合格しなければなりません。
さらに、柔道整復師になってすぐ開業できるわけではなく、
- 実務経験期間3年
- 施術管理者研修の受講(合計16時間)
が必要とされています。
開業までのハードルが高いことには留意する必要があります。
競争が激しく廃業率が高い
柔道整復師養成学校の規制緩和に伴って柔道整復師の数は増加しており、新規開業者が続々参入しています。
そのせいで供給過多となっており、顧客の奪い合いが激しく、廃業率が高いのが現実。
その数はコンビニエンスストアの数を超えると言われています。施術と接客の腕だけでは、生き残るのは難しい時代となっています。
経営に関する知識が必要
上述したとおり競争が激しいため、集客、マーケティング、財務管理など、経営に関する幅広い知識を持ち、生存戦略を立てられないと生き残るのは厳しいでしょう。
経営に関する知識や経験がない場合は、専門家のサポートが必要となります。
備えなくして勝ち目なし、と思って差し支えありません。
保険請求の手続きが負担になりやすい
健康保険を取り扱う場合、受領委任契約や届出の提出が必要です。
また、レセプトの作成は煩雑で負担になりやすく、不備があって返戻が発生すると再請求の事務作業の負担がかかります。
その分、診療報酬の受け取りも遅れてしまうことに。
開業後は返戻に悩む方も多いため、チェックをしっかり行う必要があります。
一人開業だと時間的・体力的な負担も大きい
一人で開業する場合、コストが抑えられる一方で、施術だけでなく、受付・会計・清掃などのあらゆる業務もこなす必要があります。
業務量が多く、時間的・体力的な負担が大きくなりやすいのがデメリットです。
内装を自由に決められない
整骨院の内装は自由には決められません。
コストが安いワンルームマンションでの開業も不可能なので、注意しましょう。
施術所の開設には、柔道整復師法に則った規則「施術所の構造設備基準」の要件を満たさなければなりません。
また、法令とは別に、各地域が定める『指導基準』の確認も必要です。
管轄地域の保健所へ事前相談に行っていなかったために、工事の完了後、実地検査で改善を指導されるケースも珍しくありません。
事前の準備が甘いと余計な工事費用がかかり、大きな痛手を負うことになりかねないので注意しましょう。
【施術所の構造設備基準】
- 6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること。
- 3.3平方メートル以上の待合室を有すること。
- 施術室は、室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
- 施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。
【衛生上必要な措置】
- 常に清潔を保つこと。
- 採光、照明及び換気を充分にすること。
整骨院開業に必要な視点を養っておこう
競争が激しい整骨院の開業や経営において、養っていきたい視点があります。
ここでは4つのポイントを解説していきましょう。
徹底的な顧客視点を持つ
必要とされる整骨院になるには、顧客ニーズの把握が欠かせません。開業したい地域住民の年齢層、ライフスタイル、抱える身体の悩みなどを徹底的に調査し、ニーズを深く理解することが重要です。
さらに、施術の質はもちろん、受付、待合室、アフターケアなど、顧客が整骨院で体験する全ての過程において、快適さと満足度を追求することも大切です。
技術があっても、技術以外のサービス面が追い付いていないと、せっかくの技術も届けられません。患者さまとの信頼関係を築くためのコミュニケーション能力も日々磨いていきましょう。
独自の強みを確立する
自分の得意分野を見つけ、特定のスポーツ障害、高齢者ケア、美容整体などの専門分野を確立して他院との差別化を図ることが重要です。
専門性を高めるための継続的な学習と技術向上に努めましょう。
なお、整骨院独自の強みは、施術のスキルに限ったものではありません。
オリジナル施術メニュー、予防医療や健康指導の提供、自院ならではの物販など、周辺の競合が提供していない独自のサービス展開も差別化につながります。
日々、経営者の視点から考えることを意識するといいでしょう。
経営の知識やスキルを磨く
現場のプレイヤーとしての能力が高いだけでは、経営は上手くいきません。
ターゲット層に合わせた効果的な集客や自院のブランディングなどを行うための、マーケティングの視点を持ち合わせていることが重要です。
マネジメント能力についても同様です。
限られた経営資源を管理して有効活用していくための知識や経験を身につけましょう。
変化への対応力を身につける
社会情勢の変化、法改正、健康意識の高まり、IT技術の進化など、市場の変化を常に把握し、柔軟に対応できるよう、日ごろからアンテナを張っておきましょう。
競合の動向に目を光らせておくことも重要です。変化に素早く対応し、柔軟に対応できる能力があることは、長く愛される整骨院づくりをする上でも役立つでしょう。
まとめ
最後に、記事の内容を簡単に振り返りましょう。整骨院開業メリットとしては、以下の5つが挙げられます。
メリット
- 工夫次第で開業費用を安く抑えることが可能
- 経営の自由度が高い
- 継続的な治療による安定収入が見込める
- 高齢化社会が進行することによる需要の増加
- 地域や社会への貢献を実感しやすい
デメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
デメリット
- 開業までのハードルが高い
- 施術所の構造設備基準をクリアしなければならない
- 競争が激しく廃業率が高い
- 経営に関する知識が必要
- 保険請求の手続きが負担になりやすい
整骨院の開業は、地域住民の健康に貢献できるやりがいのある仕事ですが、競争が激しい市場で成功するためには、十分な準備と戦略が必要です。
しかし、開業においては、どうしても1人では分からないことも出てくるでしょう。
分からないこと、不安なこと、リスクを最低限に抑えたい方は、ぜひJMTAへご相談ください。
これまでの経験から、きっと力になれることがあると思います。
初回相談(1時間)は無料です。お気軽にご連絡ください。