「整骨院を開業しても儲からないって本当?」
「実際、どれくらい売上があればいいの?」
「儲かる整骨院にするためには何が必要?」
このような不安に対して、今回は整骨院開業が儲からない理由と儲けるための準備についてご紹介しましょう。
この記事では、整骨院の開業・経営は本当に儲からないのか?、整骨院経営者の年収と売上の目安、儲かる整骨院経営のための準備について解説します。
これから整骨院を開業しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
整骨院の開業・経営は本当に儲からないのか?
整骨院経営は厳しく、廃業ラッシュが起きている実態について聞いたことがある方も多いでしょう。
結論から言えば、儲かるか儲からないかは、経営者のスキルと準備次第です。
なぜ整骨院開業が儲からないと言われているのか?
その背景と原因から解説しましょう。
競合との競争激化
柔道整復師の増加に伴い、整骨院の数は年々増加していることに加え、あん摩・鍼灸・指圧の施術所も増えています。
さらに、もみほぐしやリラクゼーションサロンが増加したこともあり、同じエリアに多くの整骨院や施術所が複数存在していることも珍しくありません。
そのため、差別化やブランディングを行うことが重要ですが、それにはコストや労力がかかるため、経営スキルが問われることになります。
参考:厚生労働省|令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
保険診療だけではやっていけない
整骨院は医療機関ではないので、保険診療の対象となる施術は限られています。
そのため、本来は保険対象外の施術を保険適応にする不正請求が横行し、保険請求が厳格化された背景があります。
また、患者のニーズに応えるためには自費診療を充実させる必要がありますが、自費診療の価格設定や集客は難しく、苦戦している整骨院は少なくありません。
バランスの取れた価格設定の難しさ
価格設定と施術時間のバランスがとれていないと、客単価が低くなってしまいます。
しかし、価格設定は希望通りに決められるものではありません。
たとえば、以下の要素を考慮してバランスをとる必要があります。
- 競合他社との差別化
- 地域やターゲット層の特性
- サービスの品質・内容
- 自社のコストや利益率
収益を確保するためには、自社のコスト構造や利益率を把握して適切な価格を算出しましょう。
さらに、必要に応じて調整する工夫も必要です。
経営に関するスキルの不足
独立後は、接客や経営スキル、マーケティング能力が収益に大きく影響します。
独立を考えている方の中には、こうしたスキル向上の準備が不足している方も多いです。
しかし、今や施術の腕さえあれば生き残れる時代ではありません。
予算管理や経営目標、効果的な集客施策の実施など、知識・経験を積んで独立前からスキルを高めておくことが肝心です。
整骨院経営者の年収の目安
従業員としての柔道整復師の平均年収と、整骨院経営者の年収の目安を以下の表にまとめています。
実際には、さまざまな要素によって変動するので、あくまで目安と捉えてください。
整骨院・接骨院で勤務する柔道整復師の平均年収 | 一人整骨院の年収目安 | 従業員を複数雇用した場合の年収 | 複数の整骨院を展開している場合の年収目安 |
300〜400万円程度 | 200万円~700万円程度 | 自分に加え、単純計算で施術スタッフ1名増えるごとに売上は倍増。 | さらに増加することが見込まれる。この段階なら年収1,000万円実現も可能。 |
一人整骨院でも年収1,000万円を稼ぐ方もいれば、年収200万円程度の方もいます。
年収が低い方の傾向として、開業に際して準備や見通しが甘かったことが挙げられます。
整骨院の月の売上の理想はいくら?
一人整骨院の場合、家賃などの固定費にもよるので一概には言えませんが、黒字経営のためには月の売上50~60万円を達成する必要があります。
とはいえ、この金額がまるまる懐に入るわけではないので、70~100万円は欲しいところでしょう。
また、従業員を雇用している場合は、施術スタッフが1人増えるごとに売上+70~80万円につながることが理想的です。
とはいえ、整骨院ごとに固定費や客単価などの要素は異なります。
重視したいのは、売上よりも利益の確保です。
客単価を上げたり、来院患者を増やしたりすることはもちろん、可能な範囲で固定費を抑えられれば、その分利益を確保することにつながるでしょう。
儲かる整骨院経営のためには開業前からの準備が大切
開業失敗を避けるためには、開業前からの準備がカギを握ります。
独立開業に向けて備えておきたい4点について解説しましょう。
経営スキルを磨いておく
経営スキルを高めることは、競争の激しいこの業界で成功するためには必須です。
経営のスキルを磨くための方法として
- 整骨院の経営に関する書籍を読む
- オンラインコースの受講
- 整骨院経営に関するセミナーや勉強会への参加
などが挙げられますが、内容の質・信頼性・費用・契約内容には注意が必要です。
信頼できる書籍を読んだり、主催者のセミナーに参加したりするなどしてスキル向上を図りましょう。
なお、JMTAでは目的別・受講形態別に様々なセミナー・アカデミーを開催しており、経営のスキルアップもサポートしています。
詳細は、以下のURLをご覧ください。
集客力を身に着けておく
集客の知識は整骨院の収益や競争力に直接影響します。
患者さまのニーズや市場の動向に対応したサービスの提供や価格設定のために欠かせないほか、整骨院のブランディングにも必要です。
集客の知識があれば、整骨院の特長や強みを効果的にアピールでき、顧客の満足度やリピート率を高める施策を実施することができるでしょう。
接客力の向上を図る
患者さまと信頼関係を構築し、コミュニケーションをとることは、患者さまの症状の原因特定にもつながる可能性のある大切なポイントです。
患者さまのニーズや気持ちに寄り添い、信頼関係を築くために、接客力の向上に投資しましょう。
接客力が高い整骨院は、患者さまの満足度やリピート率が高まり、口コミや紹介での集客においても有利です。
良好な人間関係を築ける能力は、開業後も有利に働く場面が多いでしょう。
高めておいて、決して損はありません。
ITツールの知識があれば経営効率が上がる
たいていの方が1人整骨院から始めますが、1人では業務が回りきらず、肝心の施術の質が下がってしまうケースも少なくありません。
そこで、経営に活用できるITツールについて把握しておくといいでしょう。
顧客管理や予約管理、会計管理などの業務を効率化できます。
たとえば、オンライン予約システムを導入することで、電話対応や予約変更などの手間を減らせるうえ、興味を持ってくれた患者さまの取りこぼしも防げます。
中小企業庁が実施しているIT導入補助金を活用する手もあるので、効率化できるツールやサービスは積極的に利用を検討するといいでしょう。
まとめ
開業に失敗する人には、準備が足りません。
しっかり準備すれば、開業失敗を避けることが可能です。
もちろん、経営成功への道のりは決して簡単ではありませんが、持続的な努力と柔軟な発想は肝要です。
挫折を恐れずに、常に分析&改善を繰り返して、成功の法則を掴んでいきましょう。
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