SEO対策にSSL化が重要な理由｜セキュリティ強化で評価向上！

「SSL化に対応するメリットって何？」
「SSL化したら検索順位は上がる？」
「導入しないといけないの？」
「導入時の注意点を知りたい」

SSL化を検討している方は、このような疑問を抱いているのではないでしょうか？
SSL化がSEOに影響することはGoogleも明言しており、今後の導入は避けて通れない道となるでしょう。

常時SSL化に対応することで、SEO・セキュリティ・信頼性の向上につながりますが、移行の際は検索順位や設定の面で留意しておきたいポイントもあるので解説します。

今回は、SEO対策におけるSSL化の影響について、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA（一般社団法人日本メディケアトレーナー協会）が解説します。

WebサイトのSSL化を検討している方、SSL化に不安や疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

SSL化とはデータ通信を暗号化してセキュリティを強化すること

SSL化とは、ウェブサイトのデータ通信を暗号化し、安全性を高める技術のことで、SSL化されたサイトは、URLが「https」で始まります。

常時SSL化することでセキュリティを強化し、サイトの安全性を高めることは、ユーザーの利便性を向上させるとして、SEO評価においても重視されている要素の1つです。

（この記事で言うSSL化は、常時SSL化を指しています。）

常時SSL化はSEO対策にも影響する

SSL化はSEOにおいても検索順位を決定する重要な要素の1つであることがGoogle公式から発表されています。

つまり、SSL化することで、検索エンジンからの評価が向上し、検索順位が上がりやすくなるのです。

民間の調査では、国内上場企業における常時SSL化の普及率は92.8%との結果があり、中小企業での導入も今後さらに進んでいくことが見込まれます。

なお、SSL化に対応していないサイト「http」の場合、ブラウザバーに「保護されていない通信」と警告が表示され、不安からユーザーが離脱するリスクがあります。

セキュリティ・ユーザーからの信頼性・SEO対策の観点からも、常時SSL化の導入は急務であるといえるでしょう。

以下に、Googleが2014年に発表した内容を一部抜粋して紹介します。

（前略）Google はランキング シグナルとして HTTPS を使用することにしました。
（中略）誰もがウェブを安全に利用できるよう、すべてのウェブサイトの所有者に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えているため、今後このウェイトは大きくする予定です。

ランキングシグナルとしてのHTTPS（2014年8月7日）｜Google検索セントラル

参考：常時SSL化 調査レポート 上場企業サイト対応状況（2024年5月版）｜株式会社フィードテイラー

常時SSL化するとどうなるのか？

常時SSL化を導入することで、メリットはもちろん、一時的なデメリットが生じる可能性もあります。
あらかじめ、どちらの要素も把握しておきましょう。

導入のメリット

まずは導入の3つのメリットから説明します。

検索エンジンの評価が上がる

前述した通り、Googleをはじめとする検索エンジンは、安全なWebサイトをユーザーに提供することを重視しています。

SSL化によって、サイトのセキュリティが向上し、検索エンジンからの評価も上がるため、検索順位の向上につながるでしょう。

ユーザーの離脱を防ぐ

「保護されていない通信」の警告表示が出ることで、問い合わせやブランドイメージが低下するおそれがあります。

SSL化により警告表示がなくなることで、これを原因としたユーザーの離脱を防止でき、サイトの滞在時間が増える可能性が高まるでしょう。

出典：サイトの接続が安全かどうかを確認する｜Google Chrome ヘルプ

個人情報の漏洩やデータ改ざんを防止

通信を暗号化することで、住所やクレジットカード、パスワードなどの重要な個人情報が、第三者に盗まれたり改ざんされたりするリスクが軽減されます。
また、SSL化はなりすましの防止にも有効です。

移行におけるデメリット

移行における2つのデメリットは一時的な影響に過ぎず、SEOに深刻な影響を与えるおそれはないでしょう。

注意したいのは、SNSシェア数が多いサイトでのユーザー行動の変化です。
詳細を解説していきましょう。

移行に伴って一時的に順位が不安定になる

SSL化の導入後は、検索エンジンのインデックス登録が更新される過程で、一時的に検索順位が下がったり、不安定になったりすることがあります。

しかし、これは時間の経過によって解消される問題であり、長期的には順位の向上に貢献する対策なので心配ありません。

SNSのシェアボタンのカウントがリセットされてしまう

SSL化でURLが「http」から「https」に変更されることで、検索エンジンは別のサイトであると認識するため、SNSのシェアボタンのカウントがリセットされてしまいます。

記事のSNSシェア数が多いサイトでは、ユーザー行動に好ましくない影響を与える可能性があるでしょう。

SSL化導入後にやるべき3つの設定

SSL化導入後は、SEO対策の観点上、3つの設定を行う必要があります。
放置していると評価に影響するので、迅速に対応しましょう。

リダイレクト設定を行う

SSL化を導入した後は、「httpのページ」から「httpsのページ」へリダイレクト設定（移転先のWebページに転送すること）を行う必要があります。

リダイレクト設定により、これまでのSEO評価を引き継ぐことが可能なほか、サイトへの流入などの影響も抑えられます。
設定後は、「http」からアクセスしてもリダイレクトされるか確認しましょう。

canonicalタグの設定

httpsへの移行後は、canonicalタグを設定し、検索エンジンに対して正規のURLを伝えましょう。

canonicalタグの設定により、SEO評価の分散を防ぎ、「https」のインデックスを促すことができます。

解析ツールの再登録

SEOツールにはSSL化前の「http」としてサイトが登録されているため、「https」のサイトとして再登録しないと利用できません。忘れずに設定を行いましょう。

なお、再登録するため、SSL化前のデータを見ることはできなくなります。
ここでは、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの再登録について解説します。

Googleアナリティクスの再登録

『Google Analytics』の再登録手順です。

Googleサーチコンソールの再登録

『Google Search Console』の登録手順です。

SSL証明書は3種類｜利用用途に合わせて選ぼう

最後に、常時SSL化に必要な3つの『SSL証明書』の種類について解説します。
Webサイトの予算や利用用途に合わせて選びましょう。

ドメイン認証型（DV証明書）

ドメインの所有権を確認するだけで発行されます。
手続きが簡単で低コストなので、個人ブログに適しています。

個人での取得が可能な唯一のSSL証明書ですが、信頼性も最低限のものとなっています。

企業認証型（OV証明書）

ドメインの所有権と、企業の実在性を確認した上で発行されるSSL証明書です。
DV証明書よりも信頼性が高く、金銭のやり取りがないビジネス向けのサイトに適しています。

取得には多少の手間と費用がかかりますが、信頼性が高い証明書です。

EV認証型

最も高い信頼性を持つSSL証明書で、より厳格な審査を経て発行されます。
一部のブラウザでは、アドレスバーが緑色に変わり、サイトを運営する組織名と証明書を発行した認証局名が表示されます。

金融機関やECサイトの決済ページに適しています。

まとめ

SSL化は、SEO対策において重要な要素の1つで、検索エンジンの評価を高めるだけでなく、ユーザーの信頼を得るためにも必要な対策です。

今後、SSL化の対応は避けて通れない道となることが見込まれます。
SEO対策のためにも積極的に導入を進め、安全で信頼性の高いWebサイト構築に努めましょう。