「SEO対策とは具体的に何なのか?」
「対策することでどのような効果を得られるのか?」
「初心者でも自分でできることはある?」
「SEO対策で押さえておきたい大切なことって?」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
SEO対策とは、『Search Engine Optimization』 の略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」です。
Googleなどの検索エンジンで、自分のWebサイトを上位に表示させるための取り組みのことです。
SEO対策は安定した集客基盤を築くために重要な取り組みの一環で、経営戦略における重要性は高まっています。
SEO対策に興味のある小規模ビジネスのオーナーに向けて、上位表示を目指すために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきましょう。
この記事は、治療院・パーソナルトレーニングの店舗運営のサポートを行っているJMTA(一般社団法人日本メディケアトレーナー協会)が解説します。
集客力を向上させたい方、SEO対策の初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
SEO対策は安定した集客基盤を築くうえで重要な施策
SEO対策により、検索結果の上位に表示されればより多くの人にWebサイトを見てもらえるため、集客力アップにつながります。
上位表示されることでインターネット上の露出が増えれば、自社サービス・商品の認知拡大にも役立ち、ブランディングにも効果的でしょう。信頼性の向上にもつながります。
また、その都度手間も費用もかけて打たなければならない広告と違い、一度上位表示できれば継続的な効果が期待できるため、費用対効果が高いこともメリットです。
こちらからアクションしなくても、ホームページが自動的に集客してくれるツールになるのです。
コストを抑え、かつ、安定した集客基盤を築くうえで、SEO対策が果たす役割は非常に大きいと言えるでしょう。
軌道に乗せるまでが大変な点に注意
SEO対策は上手くいけば集客に高い効果を発揮する一方、軌道に乗せるまで時間がかかるのが難点です。
SEO対策は、すぐに効果が出るものではないことを理解したうえで、長期的に取り組む必要があります。
また、コーディングや分析ツールの操作・分析などといったさまざまな専門知識を必要とします。
対策の仕方を間違えれば、検索結果から除外されてしまうなどのペナルティを受ける可能性もあります。
自分1人でSEO対策の全てを賄うことは非常に難しいため、たいていの場合は外注が必要となる点もデメリットと言えるでしょう。
検索順位を決定する仕組み
外注するにしても、ある程度自分で取り組むにしても、SEOの基本的な知識を備えておくに越したことはありません。
まずは、検索エンジンが順位を決定する仕組みから、わかりやすく説明していきましょう。
クロール(Crawling)
「クローラー」と呼ばれるロボットが、インターネット上の無数のWebページを自動的に巡回してWebサイトからできる限りの情報を収集します。
これをクロールといいます。
クローラーは、あたかも蜘蛛が巣を張るように、Webサイト内のリンクをたどって、新しいページや更新されたページを発見していきます。
インデックス(Indexing)
「インデックス」とは、クロールで収集されたWebページの情報が、検索エンジンのデータベースに登録されることをいいます。
検索エンジンがWebページの内容を分類・整理して記録(インデックス化)することで、ユーザーに最適なWebページを検索結果に引き出しているのです。
ランキング(Ranking)
ユーザーが検索ボックスにキーワードを入力すると、検索エンジンはインデックスされた膨大な情報の中から、ユーザーの課題解決に最も適切と判断されたページを、上から順に表示します。
このランキング決定の仕組みは非常に複雑で、200以上の要素をもとに決定しているとされています。Googleはその中でも、ランキング決定において重要である5つの要因を発表しています。
- 検索意図を把握しているかどうか
- キーワードとコンテンツ内容が関連づけられているかどうか
- コンテンツの質が高い(役に立ちそう)かどうか
- ユーザーが使いやすいWebサイトであるかどうか(サイトのつくりの分かりやすさ・モバイルでの読みやすさなど)
- ユーザーの背景(現在地・過去の検索履歴・検索設定など)
出典:ランキング結果|Google検索の仕組み|Google Serch
SEO対策の3つの基本
SEO対策は、大きく分けて
- 内部対策
- 外部対策
- コンテンツSEO
の3つの側面からアプローチします。
内部対策
内部対策は、サイト内部構造やコンテンツを最適化することです。
検索エンジンが自社サイトを正しく理解し、評価できるようにするための施策です。
内部対策の施策例
- XMLサイトマップの作成:ウェブサイトの構造を検索エンジンに伝えてクロールしやすくする
- 内部リンクの最適化:関連性の高いページをリンクさせてユーザビリティ&クローラビリティを高める
- リンク切れのチェック:リンクが切れているとユーザーにとってもクローラーにとっても不便
- パンくずリストの設置:現在いるページを把握しやすくするためのもの
- Googleサーチコンソールからのクロールリクエスト:作成したコンテンツのクロールをリクエストする
- ページの表示速度の改善:画像の圧縮や不要な要素の削除
- モバイルフレンドリー対応:スマホから快適に閲覧できるようにする
- サイトのSSL化: 通信の安全性を確保する
外部対策
外部対策は、外部のサイトから自社サイトへのリンクを獲得することです。
検索エンジンは、質の高いWebサイトからのリンクが多いほど、そのサイトを信頼性が高いと評価します。
外部対策の施策例
- 被リンク獲得:外部のサイトから自社サイトへのリンクを増やすことで、検索エンジンからの評価が上がります。
- サイテーションの獲得:自社の情報が外部サイトやSNSで言及される(リンクがない場合も含む)ことで評価向上に貢献します。
コンテンツSEO
コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図に合致した質の高いコンテンツを継続的に作成し、評価を上げて集客を図る施策です。
厳密には内部対策の一環ですが、専門知識がない初心者も始めやすいため、分けて紹介します。
コンテンツSEOでは、ユーザーにとって有益な情報を提供することで、自社サイトへの流入数を増やします。
コンテンツ作成は内製化しているところも多く、自社ならではの経験や知識を活かした記事を発信することでブランディングにも役立つでしょう。
コンテンツSEOの手順
- キーワード選定
- 検索意図の把握
- コンテンツ作成
- 効果測定・リライト(改善)を繰り返す
良質なコンテンツを作成するためには?
コンテンツSEOは初心者も始めやすいSEO対策の一環。
ユーザーにもクローラーにも評価される、良質なコンテンツを作成するためのポイントを押さえておきましょう。
ユーザーの疑問・悩みを解決できる
コンテンツ作成の肝は、ユーザーの役に立つ情報を提供することです。
ユーザーが検索する時は、必ず意図があり、その意図を満たす情報を提供することが重要です。
- どのような情報を求めているのか?
- どのような悩みを抱えているのか?
- どうなりたいのか?
など、検索意図を深く理解したうえでコンテンツを作成することが重要です。
信頼性が高い
- 情報が正確であるか、根拠を提示しているか?
- その分野の専門家の意見を取り入れているか?
- 情報は最新のものか?
など、コンテンツ作成には、ユーザーの根本的な課題解決につながる信頼性の高い情報を提供することが求められます。
なお、Googleのガイドラインには『E-E-A-T』という評価基準について記載されています。
E-E-A-Tとは、
- 専門性(Expertise)
- 経験(Experience)
- 権威性(Authority)
- 信頼性(Trustworthiness)
の頭文字を取ったものです。
E-E-A-Tは特に『YMYL(Your Money or Your Life)』と呼ばれる、ユーザーの生活に大きな影響を与える可能性のあるトピックにおいて重要視されます。
出典:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google検索セントラル
独自性がある
他のサイトと差別化できるような、独自の価値を提供できるコンテンツであることの重要性は高まっています。
すでにWeb上に存在する情報を書き換えてまとめただけのコンテンツは、評価しないことが明言されています。
だからこそ、コンテンツ作成を内製化することには価値があります。
自社ならではの経験やノウハウ、データの発信は、コンテンツの質を高めてくれるでしょう。
可読性が高い
可読性の高さとは、
- 読みやすさ
- 見やすさ
のことです。
以下は、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドからの引用です。
文章が読みやすく、よく整理されている: 文章をよく練り、わかりやすく自然な言葉を使い、誤字脱字や文法的な誤りをなくします。長い文章は段落や章などに分け、全体を見通せるように見出しを付けてください。
以上の言及をもとに、コツを簡単にまとめると、
- 専門用語を避け、誰でも理解できる言葉で説明する
- 記事の内容を見出しで区切り、わかりやすくする。
- 文章は適度に改行して読みやすくする。
- 重要な部分や強調したい部分に太字や斜体を利用して視覚的なメリハリを付ける。
- 文章だけでなく箇条書き・表を駆使して理解しやすいよう情報を整理する。
- 画像を挿入して、文章だけではわかりづらい情報を視覚的に補完する。
といった工夫が必要ということです。
実際に、目の前に人(お客さま)がいて、自らの口で納得してもらえるように説明する状況をイメージして記事制作をするといいでしょう。
SEO対策を始める前に導入しておきたいGoogle提供のツール
SEO対策には効果測定と改善が欠かせませんが、そのためにはGoogleが無料で提供する分析ツール、
- Googleサーチコンソール
- Googleアナリティクス
の導入が必須です。
2つの機能について解説しましょう。
特徴 | Googleサーチコンソール | Googleアナリティクス |
主な目的 | 検索エンジンでのサイトのパフォーマンスを監視・改善 | サイト内のトラフィックとユーザー行動の詳細を分析 |
主な機能 | 検索パフォーマンス、インデックス状況の確認、被リンク状況の確認 | トラフィック分析(※)、ユーザー属性、ユーザー行動、コンバージョン追跡 |
使用目的 | 検索順位の向上 | マーケティング効果測定、ユーザー行動分析、コンバージョン率の向上 |
データの焦点 | 検索エンジンからのデータ | サイト全体のトラフィックとユーザー行動データ |
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソール(Google Search Console)は、検索エンジン(Google)から見た自社サイトに関する情報を提供するツールです。
自社サイトがどのようにGoogleに認識されているか、そして検索結果でどのように表示されているかなどを詳しく分析でき、改善点を見つけてくれます。
主な機能
- 検索パフォーマンスの確認
流入クエリ・クリック数・表示回数・平均掲載順位などのデータを確認できる。 - サイトマップの送信
作成したサイトマップをGoogleに送信して自社サイトの構造を伝えられる。 - インデックスカバレッジ
インデックス状況を確認でき、問題のあるページも特定できる。 - モバイルユーザビリティ(MFI)
モバイル端末での表示に関する問題点の指摘と改善方法を提供してくれる。 - 被リンク状況の確認
サイト内や外部サイトからのリンクの状況をチェックできる。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクス(Google Analytics)は、ユーザーが自社サイトをどのように利用しているかを分析するツールです。
サイト内のユーザーの行動を詳細に分析することで、サイト改善やマーケティング戦略に活用できます。
主な機能
- ユーザーのトラフィック
サイトに訪れるユーザーの数・ページビュー・セッションの数などをチェックできる。 - ユーザー属性
ユーザーの年齢・性別・興味・地域などの属性データを確認できる。 - ユーザー行動
ユーザーがどのページを閲覧し、どのくらいの時間滞在しているか、離脱率などのデータを確認できます。 - トラフィックソース
ユーザーがどの経路(オーガニック検索・ソーシャルメディア・広告など)からサイトに訪れたか、流入経路を確認できる。 - コンバージョン率の確認
ユーザーがサイトで行った特定のアクション(購入・問い合わせ・登録など)を追跡し、コンバージョン率(成約率)を確認できる。
検索順位の変動に翻弄されないための心構え
最後に、検索順位の変動に左右されないSEO対策をしていくための極意について説明しましょう。
ノウハウだけで上位表示はできない
SEOにおいて最も重要なことは、ユーザーファーストの視点で考えることです。
これは、Googleが掲げる10の事実の先頭にある、
『1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。』
にもある通りです。
ユーザーファーストを第一に考えれば、検索順位の変動に翻弄される心配はないでしょう。
かつては、検索エンジンを第一に考えたコンテンツの作成方法というものが有効で、ノウハウだけで上位表示させられる時代もありました。
そのようにコンテンツ作成を行って流入を増やしていたWebサイトの多くが、今やGoogleコアアルゴリズムアップデートにより、存続が厳しい事態に陥っている現状があります。
GoogleのAIの性能が向上したことで、コンテンツの質を厳しく、かつ、具体的に評価できるようになったのです。
ユーザーファーストの視点は事業の長期的な成長にもつながる
SEOは単なるテクニックの集積ではなく、ユーザーとの対話、ひいては、自社ターゲット層との対話です。
ユーザーファーストのためには、常に最善の策を考え、実行し続けなければならないので正直大変な作業でしょう。
しかし、人に向けて地道に質の高いコンテンツを提供し続けることが、コアアップデートに左右されないSEO対策の基本です。
事業の長期的な成長につなげるためにも、常に考え続けるコンテンツ作りをしていきましょう。
まとめ
SEO対策により、上位表示できれば自社サイトへの流入が増えて、長期的な集客効果が続くことが見込めます。
ただし、SEO対策には専門知識と長期的な取り組みを必要とするため、即効性はありません。
対策の基本は、内部対策・外部対策・コンテンツSEOの3つです。
コンテンツ作成は初心者でも取り組みやすく、自社で内製化することでコスト削減やコンテンツの独自性確保にもつながるでしょう。
良質なコンテンツ作成のポイントを押さえ、地道にコンテンツを提供し続けることが、安定した集客基盤づくりの一環となります。
長期的な目線で、かつ、ユーザーファーストを第一に取り組んでいきましょう。
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